| ■審査員 |
審査員長 村松友視 氏(直木賞作家)


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| ■審査委員長 総評 |
時代は逆風ならず順風なり
「愛するあなたへの悪口コンテスト」の19回目を迎えた今回、候補作品を一通り読んで強く感じたのは応募作品自体の成熟だった。かつて多数を占めていた、単なるメタボや高齢者の衰えへのからかい、あるいは嘲笑が影をひそめ、〝悪口〟の内側から微妙な〝愛〟がにじみ出てきたり、〝悪口〟自体に切ない〝愛〟が込められていたりして、言葉という世界による、伸縮自在な〝愛〟や〝悪口〟を味わうことのできる作品が抬頭してきた。
このタイプの作品は、いまようやく出て来たというふうにも感じられたが、よく考えればスタート直後の作品に多くあったことにも思い当たる。いや、むしろ伝説的快作にスタート時からめぐまれたからこそ、この賞のいきおいがこれだけ脈々と持続されてきたのでもあり、賞はたしかにすぐれた受賞作にめぐまれて成長してゆくということを強くかみしめさせられた。
そして「スクール大賞」部門の充実からも、〝サラリーマン川柳〟などの一般人的センスを超える瑞々しくも魅力的な作品が次々と出現してくるけはいを感じさせられ、賞の未来にとっての明るい兆しが伝わってきた。〝継続は力なり〟なる金言から力みを抜いた心地よい〝愛するあなたへの悪口コンテスト〟らしい成果と言えるだろう。
また、デジタル時代への突入は、この賞のネックとなりかねぬという気もしたがこれも杞憂にすぎず、〝悪口〟の広がりに力を与える効果につながっていることの発見もまた、応募作品から学ばされたことのひとつであった。
時代を謳歌するデジタル世界とアナログのセンスは、意外と愉快なスイングを生んでくれるようであります。
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| ■お問い合せ |
〒427-0022 静岡県島田市本通三丁目6-1
(地域交流センター歩歩路内)
(株)まちづくり島田
「愛するあなたへの悪口コンテスト」
実行委員会
TEL.0547-33-1550 FAX.0547-33-1565 |
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| ■大 賞 |
| 泥の舟って、意外と浮くのね |
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PN 亭主淡白(兵庫県宝塚市)
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| ■島田市長賞 |
| あなたしかいない こともないけど あなたしかいない |
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PN オオウミガラス(山梨県甲府市)
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| ■入 賞 |
| ほっぺに日の丸を描いている。オフサイドも知らないのに。 |
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西鳥羽 舜(神奈川県横浜市)
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| シュートの瞬間、テレビの前を横切る妻 |
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村上 雄次(神奈川県鎌倉市)
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| 台所に立つ後ろ姿が消えた日々 |
| 伊藤 芳宏(東京都町田市) |
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| 「もしもし、お父さん元気?ならいいの、お母さんに代わって。」 |
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PN てんしんらんまん(東京都八王子)
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| ■島 田 賞(島田市在住の方対象) |
| 葉書に「愛するあなたへの悪口コンサート」と記す母 |
| 伊藤 貴子(静岡県島田市) |
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| ■高校生審査員賞 |
| 先生の「よく聞いてて下さい。」からはじまる般若心経 |
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井上 陽裕(福岡県那珂市)
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| ■スクール大賞(小・中・高生対象) |
駐輪場のおじさん、世間話は聞きあきたよ。
電車にまた乗り遅れちゃったよ。 |
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中山 絢斗(静岡県立島田商業高校)
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| ■スクール賞(小・中・高生対象) |
| 今やろうと思ってたの |
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下山 小梅(兵庫県明石市白陵中学校)
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| 生まれて16年ずっと日本、なのに国語ができないのはなぜだろう |
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水野 陽香理(岐阜県立多治見北高等学校)
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| 豆まき 正体分かっていても 投げなければならない |
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増田 光輝(静岡県立島田工業高校)
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| 介護なんてしたくない 一緒に逆立ちしたじゃない |
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國重 友(山口県周南市立富田中学校)
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| (第19回応募総数5,828) |
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